預貯金の相続

2022年12月21日

プロローグ

ご自身の身近な人が亡くなられたとき、相続人となった人は亡くなられた人(被相続人)の大切な遺産を相続で譲り受けることになります。

 

遺産となる財産の種類には、家や土地などの不動産であったり、自動車や貴金属などの動産、現金や預貯金などの金融資産、生命保険や死亡退職金など様々なものがあります。

遺された人が、その遺産を譲り受けるには相続の手続きを行なわなくてはなりません。

 

相続には様々なものがあり、それぞれに相続手続きも異なります。

この記事では、金融資産である預貯金の相続に注目して解説していきます。

 

遺産相続の対象となる金融資産とは

被相続人が遺した金融資産の種類には、現金・預貯金・外貨建て預金・投資信託・有価証券・株式・貸付金・売掛金・小切手などがあります。

その他、仮想通貨やNFTといったデジタル資産、収益化したユーチューブの著作権も相続の対象となります。

※仮想通貨…暗号資産とも呼ばれ、電子データのみでやりとりができる通貨です。

NFT…Non-Fungible Tokenの略称。

代替え不可能なトークンという意味で、ひとつのオリジナルデータと認められたデジタル資産です。

※デジタル資産やユーチューブなどの著作権の相続については、また別の記事でご紹介します。

 

 

預貯金の相続手続き

被相続人の預貯金を相続する場合、相続人は被相続人の預貯金を払い戻して譲り受けるか、口座名義人の変更手続きを行います。

しかし、相続手続きを開始する旨を金融機関に届け出たタイミングで、被相続人の金融口座は凍結され利用できなくなります。

 

これは、被相続人が亡くなられた時点での預貯金額を確定させるためと、誰かが預貯金を勝手に引き出してトラブルになるのを回避するために行われるものです。

 

凍結した口座を解除して相続手続きをする場合は、遺産分割協議で対象となる預貯金口座の相続人を確定し、必要な書類を揃て金融機関に提出することになります。

※遺言書がある場合は、遺産分割協議の必要はありません。

 

預貯金の相続手続きに必要な書類

・遺言書または遺産分割協議書

・被相続人の通帳、キャッシュカード

・金融機関の届出印

・被相続人の出生から死亡までの記載がある戸籍謄本、除籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書

・相続手続きを行う相続人の本人確認証(免許証やパスポート、マイナンバーカード等)

※被相続人の預貯金口座が複数の場合、金融機関ごとに行う必要があります。

※必要な書類は金融機関によって異なりますので、事前に問い合わせた方が良いでしょう。

 

被相続人の預貯金口座の注意事項

遺産分割前に被相続人の預貯金を勝手に引き出してしまうと、被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も全て引き継ぐ単純承認を選択したことになり、相続放棄や限定承認ができなくなります。

 

単純承認・限定承認の詳細はコチラをご参考下さい。↓

リンク:(相続の範囲―モノ)

 

分割協議前の仮払について

被相続人の預貯金口座が凍結されてしまうと、公共料金の支払い、葬儀費用、生活費など生活に影響する場合があります。

その場合には、「相続預金の仮払制度」が利用できます。

相続預金の仮払制度とは、被相続人の預貯金口座から「預貯金額の1/3×仮払いを受ける相続人の法定相続割合」となり、1金融機関で最高150万円が上限となります。

 

例えば、預貯金額が300万円で、仮払いを受ける相続人の法定相続割合が1/2だった場合

300万円 × 1/3 × 1/2 =50万円が仮払いの上限となります。

 

この制度を利用する場合には、次の書類を揃え金融機関に提出することが必要です。

・被相続人の出生から死亡までの記載がある戸籍謄本、除籍謄本

・相続人全員の戸籍謄本

・この制度を利用する人の印鑑証明書

※必要な書類は金融機関ごとに異なりますので、事前に問い合わせた方が良いでしょう。

 

被相続人の預貯金を相続手続きをしなかった場合

被相続人の預貯金について相続手続きを行なわなかった場合、一定の期間放置された口座は休眠預金となります。

休眠預金は金融機関から通知されますが、休眠預金活用法に基づいて2009年1月1日以降10年以上取引がない預貯金は預金保険機構へ移管され、民間公益活動で利用されます。

但し、被相続人の預貯金口座が休眠預金であっても、相続人が口座のある金融機関で手続きを行えば引き出すことは可能です。

 

預貯金の相続手続き期限

預貯金の相続手続きに定められた期限はありません。

しかし、必要書類である戸籍関係の書類や印鑑証明証は発行から3ヶ月以内のものとなっていますので、書類発行から3ヶ月を経過してしまうと再発行する必要があるため注意が必要です。

 

相続した預貯金の確定申告

相続財産は譲り受けるものであり、所得には該当しませんので確定申告は不要です。

但し、相続財産が基礎控除額「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」を超える場合には、相続発生の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告を行う必要があります。

 

 

エピローグ

今回の記事では、亡くなられた人の預貯金の相続についてお話しました。

現金を相続するのとはまた違い、金融機関にある預貯金については勝手に引き出したりできません。

きちんとした手続きを行い相続することが必要です。

また、最近ではネット銀行や通帳を発行しない金融機関の取引も多く、亡くなられた人の口座の状況を把握するのも困難な場合があります。

万が一のために、どの金融機関と取引があるかなど家族で共有しておくことも大切です。

 

相続関連の手続きは、大変困難で時間も必要となります。

相続関連の相談は、法の専門家である司法書士・弁護士・税理士等に任せることをお勧めします。

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