いざという時に慌てないために…「抵当権抹消登記」について

2024年2月7日

プロローグ

不動産を購入する際、その不動産を担保にして金融機関から融資(住宅ローン)を受け購入するのが一般的だと思います。

住宅ローンを利用した場合には、金融機関はその不動産に対して「抵当権」を設定します。

その抵当権を抹消することを「抵当権抹消」といい、「抵当権抹消登記」という手続きが必要になります。

今回は、「抵当権抹消登記」について解説していきます。

 

抵当権とは

不動産を担保にして金融機関から融資を受けた場合、融資された金銭は返済する義務があります。

しかし、債務者(融資を受けた人)が返済できなくなった場合、債権者(金融機関)は担保として土地や建物で弁済を受けることができます。

このことを抵当権といいます。

※債務者の返済が滞ってしまった場合、融資を行った金融機関は担保となる不動産を差し押さえて競売にかけ弁済を受ける権利があります。

担保・・・不動産などの「モノ」や保証人などの「ヒト」が対象となります。

競売・・・裁判所の権限で対象となる不動産を強制的に売却することです。

 

 

抵当権抹消登記とは

 

居住地域の法務局で、不動産を担保に融資を受けた際に設定された抵当権を不動産登記簿から抹消する手続きのことです。

一般的に住宅ローンの完済時や、借り換え・売却などの場合に行います。

 

抵当権抹消登記の手続き

抵当権抹消登記は、法律で定められているわけではなく義務ではありません。

そのため、手続きを行わなくても大丈夫と思われてしまう方も少なくないのではないでしょうか。

しかし、手続きを行わないと住宅ローンを完済した後も抵当権は残り続けるため、抹消登記が必要になった時に時間を要してしまいます。

また、抵当権抹消登記が必要になった時に手続きを行うという考えの方もいらっしゃるとおもいますが、手続きしないまま引っ越しで住所が変わっていたり、名前が変わったりした場合、抵当権抹消登記の前に住所氏名変更登記を行わなければならず余計に時間や手間を要します。

さらに、重要書類の紛失、売却や相続の際に手間を取られる、トラブルが起きるなどの可能性もあります。

このことから、住宅ローン完済時には抵当権抹消登記の手続きを行なった方が良いといえます。

※住宅ローンを他の金融機関に借り換える場合には、借り換え前に設定している抵当権は抹消手続きが必要です。

抵当権の設定がある不動産については、抵当権が設定されたままの売却ができませんので、抵当権抹消手続きが必要です

いざという時のために、抵当権抹消登記の手続きを完了しておくことをお勧めします。

 

抵当権抹消登記に必要な書類

・弁済証書(抵当権解除証明書・抵当権放棄証書など)

住宅ローンを完済したことを金融機関が証明する書類です。

・登記済証/登記識別情報

抵当権設定時に抵当権者に交付されている書類です。

・登記事項証明書

住宅ローンの借入先である金融機関の登記事項証明(発行から3ケ月以内のもの)です。

・委任状

抵当権抹消の手続きには、債権者(金融機関)と債務者(ご自身)の登記申請が必要なため委任状が必要になります。

上記の書類は、住宅ローン完済後に金融機関から郵送されます。

 

・抵当権抹消登記の申請書を作成

抵当権抹消登記申請書は、法務局のホームページからダウンロードできます。

※登記申請書は法務局によって記入方法が異なりますので、現住所の法務局ホームページからダウンロードしましょう。

全ての書類を揃え、居住地域の法務局に提出し「申請手続きの完了」となります。

 

専門家に手続きを依頼する

抵当権抹消登記の手続きは、上記で説明した通り個人でも行えます。

しかし、法律の専門家(司法書士・弁護士等)に依頼した方が良い事例もありますので以下で説明していきます。

・重要な書類を紛失してしまった場合

金融機関から受け取る書類には、「抵当権解除証明書」「金融機関の抹消登記のための委任状」「登記識別情報通知書」または「登記済証」があります。

この書類のひとつでも無くしてしまった場合は抵当権抹消手続きができません。

また、「登記識別情報通知書」「登記済証」を紛失した場合には「事前通知」という手続きも必要になります。

※事前通知とは、「登記識別情報通知書」「登記済証」が無い状態で抵当権抹消登記申請手続きを行い、後日、法務局から金融機関に通知が送られるものです。

金融機関は、通知が送られてから二週間以内に窓口または郵送で書類の提出を行わなければなりません。

 

・抵当権が残ったまま長時間が経過している場合

一般的に抹消登記申請は抵当権者と所有者が行うものですが、抵当権者や不動産所有者の行方が分からないなど抵当権者と連絡が取れない場合、抹消登記申請が行えません。

 

上記のような場合には、専門家に依頼して手続きを進めた方が良いでしょう。

 

 

エピローグ

 

抵当権抹消登記の手続きは法律で定められているわけではありません。

しかし、抵当権抹消手続きをしていないで放置していると登記簿から抵当権が抹消されることはなく、重要な書類を紛失してしまった、売却しようと思っても買い手がつかない、新しいローンが組みにくいなど様々な問題が起きる可能性があります。

抵当権の抹消登記に該当される方は手続きを済ませることをお勧めします。

また、抵当権抹消登記の手続きをしたいけど時間が無い、時間がかかる・難しそう・面倒くさいなどの理由から手続きをされていない方は、専門家(司法書士・弁護士等)に依頼されると良いでしょう。

 

 

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