家族信託とは – Part 1

2023年9月20日

プロローグ

最近注目されている「家族信託」という新しい財産の管理方法をご存じでしょうか?

「家族信託」は、平成18年の信託法改正に伴い、平成19年に施行された制度です。

高齢化が進む現代社会では、財産をお持ちの方が認知症や、病気や事故により判断能力を失ってしまい、自分自身の財産管理ができないというケースが多くなってきています。

このような時「家族信託」の制度を利用すれば、家族が本人に代わって財産管理をすることができるようになり、不慮の事態を避けることができます。

 

今回は「家族信託」について「Part 1」「Part 2」に分けて解説していきます。

Part 1では家族信託がどんなものか、また、メリットや注意点をご紹介します。

 

信託とは?

 

そもそも、信託とは何かをみていきましょう。

信託とは、委託者(自分)が所有する財産を信頼できる人(受託者)に託し、一定の目的に従って運用・管理・処分してもらうことをいいます。

また、信託には営利目的で行う「商事信託」と、営利目的ではない「民事信託」があります。

「家族信託」は営利を目的としない「民事信託」に該当し、民事信託を家族で行う場合に家族信託といいます。

 

民事信託の詳しい説明はコチラをご参考下さい。↓

リンク:(民事信託)

 

 

家族信託とは?

 

「家族信託」とは、読んで字の如く「家族を信じて託す」制度です。

財産をお持ちの方が、自分の意思判断能力が失われる前に資産の管理・活用などを信頼できる家族(配偶者や子など)に任せるという財産の管理方法です。

【家族信託の仕組み】

「信託」は、主に「委託者」「受託者」「受益者」から構成されます。

ここでは、家族信託についてみていきましょう。

 

委託者(財産管理を依頼する人)

所有する財産を家族に「託す」人のことを指し、財産の管理や運用を「受託者」に指示することができます。

家族信託の場合、父母や、祖父母が「委託者」になる場合が多いです。

 

受託者(管理・運用人)

「受託者」は、委託者の財産を託された人のことを指します。

託された財産の管理・運用・処分を行います。

家族信託の場合、委託者の家族が「受託者」になります。

 

受益者(利益を得る人)

「受益者」は、「受託者」が運用を行って得た利益を受取る人、または、その受益権を有する人のことを指します。

家族信託の場合、「委託者」が「受益者」になる場合を「自益信託」と言い、他の家族が「受益者」になる場合を「他益信託」と言います。

※「受託者」と「受益者」が同一人物になった場合は、1年間継続すると信託が強制終了してしまいますので注意が必要です。

 

 

 

その他、家族信託をサポートする人たち

「家族信託」では、「委託者」「受託者」「受益者」は必要不可欠な登場人物ですが、その他にも信託をサポートする人たちを指定することもできます。

これらは必要不可欠ではありませんが、必要性がある場合に定めておくと良いかもしれません。

・受益者代理人

「受益者代理人」は、「委託者」に指定され、「受益者」の代理を行うことができる人のことを指します。

「受益者代理人」を指定することの目的は、「受益者」の判断能力が低下した状態の場合や、年少者が「受益者」となっている場合や「受益者」が複数人いる場合に、権利行使や意思決定をスムーズに行うため「受益者代理人」に権利行使を集中させることができます。

 

 

 

・受益者指定権者

「受益者」を指定、変更できる権利を持つ人のことを指します。

事情により受益者を変更する可能性がある場合や、信託設定時に複数の受益者がいるが将来的に受益者を1人に絞りたい場合などに利用されます。

「受益者指定権者」は、「委託者」により選ばれます。

 

 

 

・信託監督人

「受益者」がいる場合に、「受益者」に代わって「受託者」が受託された財産を適正に管理・運用しているかを監督することができる人のことを指します。

「受益者」が年少者や、判断能力が低下した状態の場合に「信託監督人」を指定します。

 

 

 

・信託管理人

「受益者」が存在しない場合に、「受益者」の権利を管理する人のことを指します。

家族信託では、「信託管理人」が登場することはあまりありません。

 

Part 1では、家族信託の仕組みや、家族信託をサポートする人たちについてご紹介しました。

Part 2では、家族信託と遺言信託の違い、家族信託のメリットや注意点などを解説していきます。

~ Part 1 終わり Part 2 へ続く ~

 

 

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