家族信託とは – Part2

2023年10月18日

家族信託とは – Part2

家族信託Part1では、家族信託について家族信託の仕組みなどを説明しました。

Part2では家族信託についてもう少し詳しく解説し、メリットや注意点などもお話していきます。

 

家族信託Part1はコチラをご参考下さい。↓

リンク先:(家族信託Part1)

 

家族信託と遺言信託

 

「財産を家族に託す」と聞くと、「遺言書」を思う人も多いのではないでしょうか。

実際に「遺言信託」という方法はあります。

遺言信託には「法的な遺言信託」「金融商品としての遺言信託」という二つの意味がありますので注意が必要です。

 

法的な遺言信託とは?

法的な遺言信託は、遺言書で家族信託を設定するものです。

法的な遺言信託を行う場合、公証人の承認がある公正証書などの作成、または、受益者に日付がある書面で信託の内容を伝えることが必要になります。

 

家族信託と法的な遺言信託の違い

家族信託が信託契約を結んだ時点から有効になるのに対し、遺言信託は亡くなられた時点から有効になります。

また、家族信託は相続財産の継承が何代も指定できますが、遺言信託は次に相続する人のみの指定になるという違いがあります。

 

金融商品としての遺言信託とは?

信託銀行などが行うサービスです。

主なサービス内容は、

遺言に関する相談

遺言書作成のサポート

遺言書の保管

遺言内容(資産の活用)のアドバイス

遺言の執行

となり、法的な遺言信託とは内容が異なります。

金融商品としての遺言信託のメリットとしては、遺言書作成のアドバイスを受けられるほか、遺言書の作成・保管などのサービス、資産活用のアドバイス、遺言の執行などのサービスを受けることができます。

※サービスについては各銀行、会社により異なります。

 

注意点

信託銀行などが信託業務として行える範囲は法律により決まっています。

遺言の執行に関しては、財産に関する遺言の執行のみとなります。

 

 

家族信託と任意後見制度の違い

 

「任意後見制度」とは、認知症などによる判断能力の低下に備え「任意後見人」を定め、判断能力が低下してしまった後で任意後見人が本人に代わりに財産管理を行うという制度です。

誰かに財産を任せるという点では任意後見制度と家族信託は同じものですが、二つの違いは効力が始まる時期にあります。

任意後見制度は、本人が認知症などを患ってしまい判断能力が低下し、任意後見監督人が選任された時点から始まります。

※任意後見監督人は家庭裁判所に申立てし選任されます。

家族信託では、本人が受託者を定めた時点から始まります。また、家庭裁判所が介入することもありません。

 

家族信託を行うメリット

判断能力の低下による財産管理のリスク回避

認知症などを患い判断能力が低下した場合、本人の意思が確認できないため資産の管理・売却などができず、財産が凍結してしまうケースがあります。

家族信託を利用した場合、信託財産については委任者(本人)への意思確認の手続きは不要なため、受託者(財産管理を任された人)が財産の管理・処分などを行うことができます。

 

遺言書の代用

家族信託と遺言書が存在する場合、家族信託が優先されます。

また、家族信託契約を結ぶことにより、遺言書という厳正な方法ではなく相続財産の継承を指定することができ、遺言書の代わりとして利用することができます。

 

相続財産の継承を何代も指定することができる

家族信託は、一次相続だけでなく、一次相続で相続人となった人が亡くなられた時に発生する二次相続や、それ以降の相続人でも継承者を指定することができます。

※何代も継承者の指定ができるのは家族信託のみとなります。

 

不動産の共有を回避できる

相続財産の継承を何代でも指定できるため、不動産の持分共有を避けることができます。

相続人の指定がされていない不動産は、複数の相続人によって持分共有で相続される場合が多くあります。

持分共有となった不動産は、管理・運用・処分などについて共有者全員の同意が必要となりトラブルになるケースも多く、不動産が有効活用されないなどの可能性もあります。

家族信託で事前に継承者を指定しておくことにより、不動産の持分共有化を回避することができます。

 

家族信託を行う際の注意点

家族信託は、遺言信託や任意後見制度より自由度が高いため、注意しなければならない点があります。

遺留分を侵害する恐れがある

法定相続人は、民法により一定の財産を相続できる権利があります。

しかし、家族信託を行ったことにより、他の相続人の遺留分を侵害する恐れがあります。

この権利を侵害してしまった場合、侵害された相続人は「遺留分侵害額請求権」により遺留分相当の金銭を請求する可能性があります。

 

遺留分に関する説明はコチラをご参考下さい。↓

リンク:(遺産の遺留分とは)

遺留分を無視した家族信託は、後々トラブルになる可能性がありますので遺留分に配慮し、事前に相続人で協議するなどトラブルを防止することが大切です。

 

相続税の節税対策にはならない

家族信託は相続の対策としては有効ですが、節税対策にはなりません。

例えば、子が親の家族信託を行う場合、家族信託で不動産の名義は子に変更されますが、財産権(受益権)は親のままです。

親が亡くなられて相続が発生した場合は、財産権(受益権)は契約を結んだ人に継承され、相続税と同様の税金を納付することになります。

 

身上監護がない

「身上監護」とは、委託者の生活や健康、医療、介護などに関する法律行為のことをいいます。

家族信託は「財産を管理する」という制度ですので、委託者が入院や施設へ入所となった場合、生活や医療に関する金銭は準備できますが、委託者の代理で様々な契約をすることはできません。

一方、任意後見制度は身上監護も行えますので、家族信託を結ぶ際は任意後見契約も結んでおく方が良いでしょう。

 

信託期間の制限

家族信託には、30年ルールというものがあります。

これにより、相続財産の継承を指定する二次相続や三次相続に制限がかかることになります。

信託契約を結んで30年を経過後に新たな受益者が受益権を取得し、その受益者が亡くなられた時点で信託契約は終了となります。

つまり、30年を経過した場合は財産の継承は1度しか行われないということになります。

 

 

家族信託の手続きについて

 

まず、家族信託を行う目的、自身の財産をどのようにしたいかなど家族信託を行う理由を明確にします。

※例えば、判断能力が低下する前に家族に財産を託しておきたいなど。

手順① 信託内容の決定

信託の方法は、家族信託・任意後見人制度・遺言信託などがあります。

どの方法が適切なのか法の専門家を交えながら検討されることをお勧めします。

信託内容について決めなければならないことは以下の通りです。

信託の目的、委託者、受託者、受益者、信託財産、信託期間、残余財産の帰属先など。

そのほか、受益代理人、受益者指定権者、信託監督人、信託管理人などの決定が必要な場合もあります。

 

手順② 信託契約書の作成と信託専用口座開設

決定した信託内容で契約書を作成します。

作成した契約書を公正証書にすることで後々のトラブル回避になり、金融機関の信託口座開設時の手続きもスムーズになります。

※財産管理を行う受託者は、自身の財産と信託財産を区別しなければならないため信託専用口座を開設します。

※信託専用口座開設については、各金融機関で取り扱いが異なります。

 

手順③ 不動産の名義変更

信託契約に不動産がある場合は不動産の名義変更を行う必要があります。

法務局での手続きになりますので、は司法書士に依頼することをお勧めします。

 

家族信託にかかる費用

家族信託を行う際には、信託する財産と誰に相談するかなどによって費用が変わりますが、

専門家への相談、コンサルティングや、信託契約書の作成、公証役場との調整、信託登記、信託目録の作成など、おおよそ30万円~100万円程度の費用が必要になります。

※上記の料金は目安です。信託内容によって変動します。

 

 

エピローグ

 

今回は、家族信託についてPart1、Part2でお話しました。

家族信託は、自由度が高く相続対策に効果的です。

また、ご本人の判断力低下による資産凍結などのリスク回避にもなります。

しかし、注意点もありますのでよく理解した上で進めましょう。

家族信託契約は、関係者全員が理解し検討することが必要です。

法の専門家に相談しながら将来の道筋を決めていくことをお勧めします。

 

 

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