終活とエンディングノート~遺言書との違いとは~

2023年11月8日

プロローグ

最近良く耳にするようになった「終活」という言葉。

20代以上の男女に終活に関する意識調査を行った結果、20代以上の男女の約90%以上が「終活」という言葉を知っている(聞いたことがある)と回答しています。

また、終活を行う際に記入する「エンディングノート」を知っているという人は約80%という結果でした。

では、終活やエンディングノートとは具体的にどのようなものなのでしょう。

遺言書との違いなども解説していきます。

 

 

終活とは?

 

終活とは、ご自身の人生の終わりを迎えるための活動のことをいいます。

余生をより充実させる、遺された家族について、財産の整理など「エンディングノート」を活用しながら記入します。

※厚生労働省にも終活と似たような「人生会議」というものがあり、自身のもしものために望む医療やケアについて事前に考え、家族や医療機関などと話し合い共有することを取り組みとしています

 

 

エンディングノート

エンディングノート(終活ノート)とは、終活に関する様々な事柄を記入するノートです。

ご自身の基本的な情報、携帯電話などのパスワード、葬儀の事、遺言書の有無、財産についてなど記入します。

死後についてのことだけでなく、趣味や思い出、やりたい事など前向なことを考え記入するのもお勧めです。

 

【基本情報】

氏名、生年月日、本籍地、現住所、血液型、趣味、思い出など

また、突然の病気などに備えて延命治療の有無や、治療の進め方なども記入しておきましょう。

【パソコンや携帯電などのIDやパスワード】

利用しているサイトや携帯電話を解約する時など、IDやパスワードが必要になるため記入しましょう。

【葬儀について】

希望する葬儀社、葬儀に呼んで欲しい人、納骨の方法、訃報の連絡を入れて欲しい人などを記入しておきましょう。

【財産】

預貯金、不動産、生命保険、有価証券など財産のことも記入しておきましょう。

財産については、書類なども揃えておくのがお勧めです。

預貯金・・・通帳・キャッシュカード・印鑑

不動産・・・登記簿謄本(全部証明書)や固定資産納税通知書、権利書

生命保険・年金・・・保険証券、年金手帳など

有価証券・・・取引報告書など

【遺言書の有無】

遺言を遺す場合、保管場所や遺言方法(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)も記入しておきます。

【その他】

家族や友人などいつもお世話になっている人へ感謝や、想いを遺すこともお勧めです。

また、ペットを飼っている人はペットの事も具体的に記入した方が良いでしょう。

「ペットの名前、性別、年齢、性格、血統書、食べているフードの種類、かかりつけの動物病院、加入しているペット保険など」

※自動車のローンや、住宅ローン、負債といったマイナスの財産がある場合、マイナスの財産も財産に含まれますので契約書類も揃えて記入しておきましょう。

 

注意点

終活でエンディングノートに様々な事柄を記入しても、肝心のエンディングノートが発見されなければ作成した意味が無くなってしまいます。

エンディングノートの保管場所は分かりやすい所に置いておく、家族の誰かに保管場所を教えておくなど対策しておく必要があります。

エンディングノートに銀行口座の暗証番号を記入するのはNGです。

通帳やキャッシュカード、印鑑などの貴重品とエンディングノートを一緒に保管していた場合、第三者の手に渡ってしまう可能性もあります。

万が一に備えて、暗証番号は記入しないよう注意が必要です。

また、エンディングノートと通帳やキャッシュカード、登記簿などの重要な書類は一緒にせず別の場所に保管し、家族の誰かにのみ教えておくという対策も必要です。

 

 

エンディングノートと遺言書の違い

 

終活では、エンディングノートを活用して様々な事柄を記入しますがエンディングノートと遺言書は異なります。

法的効力がある遺言書に対して、エンディングノートには法的な効力ありません。

家族に財産を遺す場合で遺産分割などに関してご自身の考えがある場合や、後々家族がトラブルにならないようにと考える場合は遺言書を作成する方が安心です。

また、遺言書をエンディングノートとして作成するというのもひとつです。

 

遺言書には3つの方法(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)があります。

どの方法でも作成可能ですが、公正証書遺言で遺された方が安心でしょう。

遺言書の詳細はコチラをご参考下さい。↓

リンク:(遺言書とは)

 

エピローグ

 

終活を認知している人は多いですが、実際に終活をしている人はまだまだ少数です。

その背景には「まだ早い」「終活など縁起でもない」といった声も少なくありません。

しかし、エンディングノートには様々な事柄を記入することができますので、余生でやりたい事、毎日の日課ややりがいといった内容も記入することができます。

また、突然の病気や事故、いつか訪れる死に備えて家族に伝えたい事、財産のこと、延命、治療のことなどご自身の希望を記入することもできますし、何度でも書き直すことができます。

家族と話し合いながら、これからやりたいことなどを記入するのもいいでしょう。

但し、エンディングノートには法的効力はありません。

相続財産についての心配や不安、遺産分割をお考えの方は遺言書を作成することをお勧めします。

相続に関しての不安や、遺言書の書き方が分からない、エンディングノートを遺言書にしたいなどの場合は、法の専門家(弁護士・司法書士)に相談されることをお勧めします。

 

 

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