2024年4月から相続登記は義務化になりました~申請方法と必要書類~

2025年1月29日

プロローグ

たまに耳にする「相続登記」という言葉。

いったい何のことかさっぱり分からないという方も少なくないのではないでしょうか。

相続登記は2024年4月から申請が義務化となりました。

申請義務化に伴い、相続登記に関する知識や申請の方法などを知っておくことが必要です。

今回は「相続登記」がなぜ必要なのか、申請の際に必要な書類について解説していきたいと思います。

 

相続登記って?

「相続登記」とは、正しくは「相続による所有権移転登記」といいます。

では、相続による所有権移転登記とは何なのでしょう。

相続による所有者移転登記(相続登記)」とは、土地や建物などの不動産を所有している方が亡くなられた場合に、その不動産を遺産として亡くなられた方から相続人へ引き継ぐ名義の変更手続きのことです。

相続登記に「必ずしなければいけない」という決まりや、「何か月以内にしなければいけない」という決まりは今までありませんでした。

しかし、2024年4月以降相続登記は義務化となり、不動産などを相続した場合は手続きが必須となりました。

期限内に登記をしない場合には過料(罰金)が科されるケースもあるため、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記手続きをしなければなりません。

以下で問題になり得る具体的な例を解説していきます。

 

問題になり得る事例

固定資産税

相続登記が未了で他にも相続人がいる場合、毎年固定資産税を納税していてもご自身の所有になることはありません。

また、固定資産税の課税情報が不正確になり、相続人全員に税負担の請求が届く場合もあります。

 

相続問題

例えば、親・兄弟の家族間のみで相続の話が済んだはずなのに、相続登記をしていなかったばかりに親・兄弟の家族以外の親戚まで相続の話し合いに入ることになる可能性があります。

 

売却、融資

被相続人が残した土地や建物などの不動産が被相続人名義のままになっている場合、その不動産を売却したり融資を受けたりすることができません。(事前に相続登記を済ませる必要があります)

 

居住の問題

ご自身が被相続人名義の家屋に住んでいて、ご自身以外にも相続人がいる場合、相続登記が未了のままでは将来的に誰がその家屋に住むのかなどを言い争う原因となる可能性があります。

 

放置問題

被相続人の土地や建物などの不動産を相続するつもりがなく放置していた場合、その不動産で問題が起きた時ご自身に賠償請求されるという可能性があります。

幾つかの事例をお話ししましたが、こういったトラブルにならない為にも相続登記の手続きは期限内に完了しましょう。

 

相続登記の申請方法

・相続登記の手続きは、土地や建物などの不動産がある場所が管轄する法務局に申請しましょう。

・申請に関しては、ご自身(相続人)が申請書を作成し申請する方法と、司法書士等に依頼して代理申請する方法の2通りがあり、必要な書類を揃え申請します。

また、法定相続分通りに相続する場合・相続人同士の遺産協議分割で相続する場合・遺言書に基づき相続する場合で必要書類が異なります。

 

法定通りに相続する場合の必要書類

被相続人

(故人)

戸籍謄本(出生から死亡までのもの)

住民票の除票または戸籍の附票(本籍が載っているもの)

相続人 戸籍謄本(法定相続人全員のもの)

住民票(新名義人になる方全員のもの)

その他 不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)

不動産の評価証明書(登記免許税の算出に使用します)

委任状(司法書士などに依頼した場合に必要です) など

 

遺産協議分割で相続する場合の必要書類

被相続人

(故人)

戸籍謄本(出生から死亡までのもの)

住民票の除票または戸籍の附票(本籍が載っているもの)

相続人 遺産分割協議書(相続人全員の実印が押印されたもの)

戸籍謄本(相続人全員の現在の謄本)

印鑑証明書(相続人全員のも)

住民票(不動産を相続される方全員のもの)

その他 相続登記申請書

不動産評価証明書(登記免許税を算出する際に使用します)

委任状(司法書士などに依頼した場合に必要です) など

 

遺言に基づき相続場合の必要書類

被相続人

(故人)

遺言書(自筆または秘密証書遺言で検認が済んだもの)

戸籍謄本(出生から死亡までのもの)

住民票の除票または戸籍の附票(本籍が載っているもの)

相続人 戸籍謄本(不動産を相続される方全員のもの)

住民票(不動産を相続される方全員のもの)

その他 不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)

不動産の評価証明書(登記免許税の算出する際に使用します)

委任状(司法書士などに依頼した場合に必要です) など

※上記の通り必要書類はケース毎に異なります。申請される際は、事前に申請方法や必要書類など法務局へ確認しましょう。

 

エピローグ

相続登記は2024年4月から必ず行わなければならない手続きになりました。

しかし、相続登記の申請には必要な種類を揃えるのも手間がかかり複雑な場合があります。

相続登記の手続きは法の専門家である司法書士にご相談されることをお勧めします。

次回の記事では、相続登記義務化の理由や申請の期限について解説していきます。

 

 

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