遺産分割協議について知っておきたいこと

2024年11月20日

プロローグ

遺産分割協議は、被相続人が遺した遺言書がない場合に相続人の間で遺産の分け方について話し合い、相続人全員がその内容に同意することで有効に成立するというものです。

遺産分割協議によって相続財産をどのように分けるか話し合い、相続人全員の同意が得られれば法定相続分に沿わない形の相続も可能です。

反対に相続人全員の意見がまとまらない場合は、家庭裁判所での調停や審判となる場合もあります。

今回は、遺産分割協議について知っておきたいことを解説します。

 

遺産分割協議の意味

民法898条では、相続人が数人ある時相続財産はその共有に属するとされています。

つまり、相続財産は遺産分割協議が行われるまでは相続人全員の共有財産(共同相続)ということになります。

相続人が複数人いる場合、遺産の分け方について相続人全員で話し合いを行うことを遺産分割協議といいます。

また、相続人が2名以上いる場合は協議が終了するまでの間財産が分割されていない共同相続という状態になり、共同相続の間は、被相続人の預金の払い戻しに手間がかかる、財産の管理を単独でできないなど様々な問題があります。

不動産の名義変更である相続登記に関しては共同相続でも可能です。

しかし共同相続の状態で相続登記を行うと、登記した不動産の居住権や固定資産税などに関して注意すべきことが多く、遺産分割協議後に再び相続登記の必要が発生してしまうこともあり、手間が二重になる上にコストも増えてしまいます。

相続登記は、遺産分割協議が完了してから行った方が円滑に進みますので、少しでも早く遺産分割協議を終えて共同相続状態を解消することが大切です。

相続登記の詳細はコチラでもご紹介しています。↓

リンク:(相続登記とは?~2024年義務化へ向けてのお話、申請方法と必要書類~)

 

 

遺産分割協議に向けての準備

遺産分割協議を進める場合、遺言書の有無の確認財産の調査相続人の確認遺産の分け方についての協議遺産分割協議書の作成相続財産の名義変更の順で行われますので、遺産分割協議が始まる前に相続財産の調査と相続人の確認を行いましょう。

 

財産の調査

遺言書が無かった場合、被相続人から受け継ぐ財産の把握が難しくなります。

相続財産(遺産)には預貯金や不動産のようなプラスの財産だけでなく、負債や未払金などマイナスの財産もあります。

遺産を正確に把握できていない場合、漏れが生じ遺産分割のやり直しになる場合もありますので正確に把握する必要があります。

また、遺産分割協議は相続人全員の同意があれば自由に進めることができますので、不動産のことだけに絞って話し合うことも可能です。

しかし、不動産の価値は変動があります。

相続人の間でトラブルや最悪の場合紛争に発展してしまう場合もありますので、事前に評価額の調査をしておいた方がいいでしょう。

 

相続人の確認

財産の調査を終えた後は相続人の確定を行い、相続の意思を確認することが必要です。

自分と兄弟だけが相続人だと思っていても、実際には自分たちが知らない相続人が存在することもあります。

相続全般に必要な手順でもありますので、戸籍によって相続人を確認するという作業は欠かすことができません。

人によっては相続放棄するケースもありますので、相続人が相続をするか放棄するかの確認も必要です。

また、本来参加すべき相続人が不参加で協議の内容に同意できない場合、遺産分割協議は無効になってしまうため相続人は必ず協議に参加してもらわなければいけません。

そのために、相続人が誰であるのかを確認しなければいけないのです。

 

遺産の分け方についての協議

相続人全員で話し合う際は法定相続分を基準に分配し、法律通りに分けにくいものについては話し合いで決める方が不公平感は少ないでしょう。

しかし、生前に被相続人から援助を受けていた・援助をしていた、または分割すること自体が被相続人の意思ではないなど問題が生じる場合もあります。

内容によっては柔軟に対応することがポイントになってきます。

 

遺産分割協議書の作成

遺産分割についての話し合いで相続人全員の同意が得られた場合は、内容をまとめ遺産分割協議書の作成を行います。

書式は決まっておらず手書きでもパソコンでの作成でも可能ですが、相続人の住所や氏名は自署、印鑑は実印で押印することが必要です。

また、遺産分割協議の内容は話し合いで自由に決めることができます。

法定相続分に沿った内容でないと納得できない場合や、不公平な内容でもスムーズにまとまる場合もあります。

協議のポイントを参考にしつつ、トラブルにならないよう柔軟に対応することが大切です。

 

遺産分割協議の無効・取消し

遺産分割協議がまとまった後でも以下のような場合は無効や取消しになり、協議のやり直しになる場合もありますので注意が必要です。

・遺産分割協議を相続人全員で行わなかった場合

・判断能力が不十分な相続人が成年後見人をたてずに協議に参加した場合

・遺言書の存在を知らずに合意した場合、重要な財産について思い違いして合意していた場合

遺産分割協議のやり直しなどコチラでもご紹介しています。↓

リンク:(遺産分割協議のやり直し)

 

エピローグ

相続税の申告は被相続人が亡くなられて10ケ月以内に行わなければならず、それまでに遺産分割協議および遺産分割協議書の作成を完了させなければなりません。

遺産分割協議をスムーズに終えるためには、相続人同士の穏やかな話し合いと理解、後日トラブルにならないようきちんと書面に残すことも必要です。

遺産分割協議書の作成が困難な場合や不安がある方は、法の専門家(弁護士・司法書士・行政書士等)に相談することも可能です。

スムーズに手続きを進めるためにも専門家への相談を検討されることをお勧めします。

 

 

名古屋市に事務所を構えます【名古屋相続センター ゆう司法書士法人】です。

当事務所は、相続に強い司法書士事務所として、専門的な知識と寄り添う想いであなたにとってより良い相続になるようにサポート致します。

 

遺産相続、相続税対策、相続税の申告・不動産相続、土地の名義変更・預貯金の相続・相続放棄・生前贈与・遺言書・家族信託・企業の事業承継など相続に関するお手続きは当事務所にお任せ下さい。

また、相続登記の義務化に伴うお手続きや、不動産売買などのご相談も承っております。

身内が亡くなった時の手続き・届け出など、相続に関するお悩みは「ゆう司法書士法人」へお気軽にご相談下さい。

 

 

名古屋相続センター
〒462-0843
愛知県名古屋市北区田幡2-12-14 明治安田生命黒川ビル5階

電 車黒川駅1出口から徒歩約1分

お 車駐車場「One Park黒川駅前」をご利用ください

メールでお問合せメールでお問合せ
電話
LINE@LINE@