二次相続とは
目次
プロローグ
相続をするという事は、その間の日常生活の時間を割いて考えなくてはならない問題です。
ここでは、その問題を一度は乗り越えた方や、ご自身や身の周りの事を考えて相続問題に取り組もうとする方には特に気にして頂きたい内容になっています。
二次相続って?
二次相続とは、例えば両親の死亡によって起こる相続の【一度目を一次相続、二度目を二次相続】といいます。
一次相続と二次相続の違い
簡単に言うと上記イラストからも分かるように、相続人の構成が少し変化します。
一次では【配偶者と子】二次では【子】が相続人になり、二次相続では相続税の負担が大きくなる部分があります。
二次相続の相続税負担増加の理由
【基礎控除額の低下】
基礎控除の計算式3000万円+(600万円×法廷相続人の数)一次よりも、法定相続人の人数が減るので基礎控除額が減ります。
【配偶者の税額軽減がなくなる】
二次相続では配偶者の存在(両親)が亡くなる為、配偶者控除による税額軽減が出来ません。
それにより税率が増加します。
【小規模宅地の特例が使用できない】
相続人と生計を一にしていた被相続人(故人)の親族が、事業用または居住用に使っていた宅地等の評価を最大80%減額することができる制度がありますが、二次相続では要件を満たしていない場合特例が適用できません。
上記3つの理由により相続税の負担が上がります。
二次相続による相続税の増税を防ぐ為には
二次相続による相続税の負担を抑えるには、一次相続又は、相続の事を考えている状態で先に考えて置くことが必要です。
そこで、対策として出来るものを取り上げていきます。
・二次相続のみに使える制度【相似相続控除】
・暦年贈与で生前贈与を行う。
・生命保険の加入
・小規模宅地の特例を家族で知り対策を
・相似相続控除とは
両親が相次いで亡くなった場合、相続税を2人分支払う事になってしまうと負担が大きくなります。
そこで【相似相続控除】という国が定めた負担を抑える為の制度があります。
上の図を元に説明すると、相似相続控除を受ける為には
- 一次相続で二次相続の母(被相続人)が相続税を払っている。
- 被相続人(故人)の相続人である。
- 一次相続から10年以内に二次相続が発生した場合。
上記3つに該当する事が条件になります。
・暦年贈与で生前贈与
二次相続の事も視野に入れた生前贈与には、暦年贈与をお勧めします。
暦年贈与とは、年間110万円までの基礎控除を使用する相続税対策の事です。
暦年贈与の注意点は、相続開始3年以内に贈与された財産は相続税の対象になる為3年より前から対策しましょう。
金額も毎年変更し、毎年時期をずらして贈与することが肝心です。
定期贈与(一定期間、一定の給付を行う贈与の事)とみなされてしまうと、贈与税がかかってしまう為、節税になりません。
・生命保険の加入
生命保険に加入し、保険の受取人を子供にすることで二次相続を回避できます。
保険金は、みなし相続財産で課税対象ですが死亡保険金には【法定相続人の数×500万円】の非課税枠があり、相続税の負担も軽く現金で支払われる点でも相続が起きた場合のメリットになります。
・小規模宅地の特例を家族で知り対策を
小規模宅地の特例を簡潔にいうと、亡くなった両親が所有していた家や賃貸アパートなど宅地を相続する場合、一定の面積まで相続税を減額する制度です。
居住用宅地は評価額80%、事業用宅地は評価額50%~80%まで下げられるので相続税を抑える事ができます。
・居住用宅地 :80%減額・適用限度面積は330㎡まで。(※100坪まで適用できます)
・事業用宅地 :80%減額・適用限度面積は400㎡まで。(※120坪まで適用できます)
・貸付事業用宅地:50%減額・適用限度面積は200㎡まで。(※ 60坪まで適用できます)
小規模宅地の特例を利用できるケース
1・夫婦のどちらかが亡くなって、その配偶者が相続する場合
2・被相続人と同居していた親族、子が相続する場合
3・同居はしていないが、要件を満たす親族が相続する場合
配偶者が相続する場合は、何も制約がなく小規模宅地の特例を受けることが出来ます。
もう一つ小規模宅地の特例で【家なき子特例】というものがあります。
家なき子特例は以下の全てに該当しないと利用できませんので注意が必要です。
・被相続人(故人)に配偶者や同居していた相続人がいない。
・3年以上賃貸に住んでいて、自宅を所有していない子。
・被相続人(故人)が亡くなって10か月間は売却せず所有すること。
親元を離れ子が自分の自宅を持っている場合はこの特例を使うことはできません。
エピローグ
今回は二次相続について触れましたが、調べていて相続の問題同様に大事な内容が多く見逃せない事が分かります。
また、複雑な内容ですので、専門家に相談されるのも一つだと思います。
一人で解決できる問題ではなく、家族や親族間にも影響は及びますので、一度皆さんで話せる時間を作ることが一番の対策になると思います。
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