事前にしっておきたい!相続トラブルの対処法

2024年8月21日

プロローグ

親の相続をきっかけに遺産分割について兄弟姉妹でトラブルが起きてしまい良好な関係が壊れてしまうことがあります。

トラブルが複雑化してしまうと家族仲が修復不可能になることもありますので身内同士の争いは極力避けたいですね。

トラブルを避けるためにも「何をきっかけにトラブルが起きるか」を事前に把握して、それに対しての適切な対処方法を身に着けておくことも大切です。

 

相続問題でよくあるトラブル一覧

相続問題でトラブルになるケースは多様にあります。

以下でいくつかの例をご紹介します。

・兄弟間で遺産分割について揉める

遺産の範囲、遺産分割の割合など、すべてにおいて意見が合わずトラブルになる事があります。

また、被相続人が亡くなるまでずっと面倒を見てきた兄弟姉妹が、他の兄弟姉妹より多く遺産をもらう権利があると主張して話し合いがまとまらないなどもあります。

・相続人が多いことでトラブルになった

相続人が多くても遺産分割協議は相続人全員で行われますが、相続人の人数が多いほど相続トラブルのリスクは高くなるでしょう。

・遺産に不動産が含まれている

不動産は現金と違い分割することが困難です。

また、評価も難しく遺産に不動産がある場合はトラブルに発展する可能性があります。

・遺言の内容に偏りがある

遺言書がある場合は、基本的に遺言書の内容に沿って相続を行います。

しかし「○○に全ての財産を譲る」というように極端に偏った内容だった場合、他の相続人は納得できずトラブルになる可能性が高いでしょう。

・連絡の取れない相続人がいる

長い期間家を離れて疎遠になっている兄弟姉妹がいる場合、相続手続きの手間がかかるばかりか意見が合わずトラブルになってしまう可能性は高いでしょう。

 

トラブルごとの対処方法

相続トラブルの対処方法もケースによりことなります。

事例と回避策・対処法をみていきましょう。

兄弟姉妹間で遺産分割について揉めている場合

相続は基本的には法定相続分に則って行われます。

しかし「自分は親の面倒を見てきたのだから他の兄弟姉妹より多く遺産をもらいたい」「兄は家や車を購入する際資金援助してもらったのだから相続分は少なくするべきだ」等、遺産相続にはトラブルの種が多く潜んでいます。

※法定相続分…法律で決められた各相続人の相続割合ことです。

法定相続分…被相続人の配偶者が常に相続人、子または孫などの直系尊属が第一順位、親または祖父母などの直系尊属が第二順位、兄弟姉妹・代襲相続人が第三順位となります。 

法定相続分についての詳細はコチラをご参照下さい。↓

リンク:(相続に関する法律)

 

事前のトラブル回避策

話し合いがうまくいかず関係が悪化してしまった。という事態を避けるにはどうしたらよいでしょうか。

まず挙げられる方法は、遺言書の作成です。

遺言書があれば原則として遺言書の内容に沿って遺産を相続することができます。

一人の相続人を優先して不平等な内容にならないように注意して作成しましょう。

 

 

すでにトラブルが起きている場合の対処法

・遺産を多く相続する人が他の相続人に代償金を支払う

相続人のひとりが他の相続人よりも多くの遺産を受け取った場合、他の相続人に代償金を支払い、相続分を調整することでトラブルを回避します。

例えばある相続人が被相続人の自宅を相続することになった場合、遺産分割協議書に「相続人Aは被相続人の自宅の土地建物すべてを相続する代わりに相続人Bに○○万円の現金を支払います」というように、代償金を支払う旨を記載します。

※このとき、本来の相続分以上に代償金を受け取ると贈与税の課税対象になるので気をつけて下さい。

・相続分を他の相続人に譲渡する

自分の相続分を他の相続人に譲渡することで相続争いから降りる、という選択肢もあります。

相続分を有償で譲渡することもできます。

・法律の専門家に相談する

身内の相続トラブルが解決しない場合、法律の専門家(弁護士・司法書士等)に相談すると事態が改善する可能性がありますし、冷静に話し合いができるでしょう。

 

相続人が多い場合

遺産分割協議は相続人全員で遺産の分け方を決めなければならないため、被相続人に前妻との子がいる場合や養子縁組によって相続人が増えているなど相続人の人数が多いと苦労することになります。

この場合も、事前に遺言書で相続の内容を整理することでその後のトラブルを回避することができます。

複雑な人間関係で既にトラブルが発生している場合は、法律の専門家(弁護士・司法書士等)に相談することで解決が見込めます。

 

遺産に不動産が含まれている

遺産に不動産が含まれていることによって生じるトラブルとして考えられるのは以下の事案です。

 

・不動産を相続する人としない人で不平等になる

例えば2,000万円の価値がある不動産と、現金200万円を相続した場合の遺産総額は2,200万円ですが、長男だけ不動産を相続する場合は平等な相続とは言えません。

このいった場合の対処法は、不動産を相続した相続人が他の相続人に現金を支払う代償分割という方法です。

しかし、代償分割は他の相続人に代償金を渡す資産がないと実行できません。

代償分割の資金がないという場合は、他の相続人に相談して理解を得る必要があります。

また財産を遺す側(被相続人)の対策として生命保険を活用し、不動産を相続できない相続人を受取人にすることで不公平を解消する方法も考えられます。

 

・不動産の資産価値(評価額)を巡り相続人の意見がまとまらない

相続する不動産の価値で相続人同士の意見が対立し、話がまとまらなくなることがあります。

これは不動産の評価方法が複数あり、相続人の間で評価方法を決めることができるからです。

相続人が複数人いる場合、自分が相続する不動産の評価額はより高い方が良い、また、他の相続人が相続する不動産は低く評価したいという不動産の評価額を巡ってトラブルになる事があります。

不動産評価を巡り遺産分割調停・審判するとなると費用も時間もかかるため、遺産分割協議で相続人同士の合意を得るのがいいでしょう。

また、早い段階で法律の専門家(弁護士・司法書士等)を交えながら相続人全員が納得できる方法を探しましょう。

 

・不動産の名義を巡るトラブル

不動産を共同名義にしてトラブルになることもあります。

共同名義の場合、共有した誰かが単独でその不動産を売却することはできません。

また、名義人の一人が亡くなった場合はまた相続が発生しますので、共同名義にするのは避けた方が無難です。

他にも、相続した不動産の名義がすでに亡くなった祖父のままだったというケースもあります。

その場合は祖父の相続から整理していくことになり膨大な時間を費やすことになります。

こういったトラブルは個人では難しく、法律の専門家(弁護士・司法書士等)に相談することをお勧めします。

また、そうなる前に被相続人が健在なうちに不動産登記の確認をしておくと安心です。

※不動産登記謄本は「インターネット(登記情報提供サービス)」でも情報を閲覧することができますが、有料となります。

 

遺言の内容に偏りがある

遺言内容が「○○に全財産を譲る」など一人にだけ偏った内容である場合、他の相続人は法定相続人が最低限相続できる権利「遺留分」を請求する「遺留分侵害額請求」をすることができます。

遺留分の権利があるのは、被相続人の配偶者・第一順位である被相続人の子供・第二順位である被相続人の両親です。

遺言書がある場合遺言の効力が優先されますが、遺言の内容が偏り遺留分を侵害している場合には遺留分侵害額請求を請求し遺留分を取り戻すことができます。

遺留分侵害額請求の期限は「遺留分の侵害があることを知った日から1年」です。

しかし「知った時」がいつなのかを巡って争いになることもあるので、可能な限り被相続人が亡くなってから1年以内に請求するのが望ましいです。

 

連絡の取れない相続人がいる

遺産分割協議は相続人全員で行います。

音信不通で連絡先不明の相続人がいる場合、被相続人と血縁関係であれば戸籍の附票に記載されています。

被相続人の戸籍の附票を出生まで遡って取得し、音信不通の人の連絡先を確認します。

確認ができたら、遺産分割協議が開始されたことを手紙などで知らせましょう。

 

・連絡先は分かっているが回答がない・拒否されている

遺産分割調停を申し立てる

遺産分割調停を申し立てることで裁判所から相続人に対して呼出状が送付されます。

呼出状が無視された場合は自動的に遺産分割審判に移行し、遺産分割審判にも出廷しない場合その相続人は相続権を失うことになります。

 

・住民票の住所に住んでいない

不在者財産管理人の選任を申し立てる

住所不明・音信不通といった行方不明者の財産を代理で管理する人を選任する手続きです。

不在者財産管理人は、相続に利害関係を持たない親族、もしくは法律の専門家(弁護士・司法書士等)から選任します。

 

エピローグ

相続トラブルが起こると親しい人でも絶縁状態になってしまうことがあります。

そのような事態は被相続人も望んでいないでしょう。

相続手続きは、当事者間の綿密なコミュニケーションや、第三者の立場として法律の専門家(弁護士・司法書士等)へ相談することも必要ではないでしょうか。

トラブルなく円満に相続手続きを終える予防対策も必要ですね。

相続トラブルについてはコチラもご参照下さい。↓

リンク:(絶対に避けたい!!家族間の相続トラブル)

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