SNSの相続について
目次
プロローグ
最近ではほとんどの人が使用している「SNS」。
このSNSという言葉は、「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略称で、インターネット上のコミュニティサイト(インスタグラム、ユーチューブなど)のことをいいます。
そのコミュニティサイトのほとんどが、自身のメールアドレスを持っていれば誰でも登録ができ、登録したコミュニティサイトを利用して社会的なネットワークを作り出せるというものです。
亡くなられた人(被相続人)の遺産には、家や土地などの不動産、自動車や貴金属などの動産、現金、預貯金などの金融資産があります。
その他、電子データのみで存在する実体のない通貨で、主にインターネット上の取引で利用される仮想通貨・暗号資産といったデジタル遺産(ビットコインやアルトコイン等)、著作権、死亡退職金や生命保険といったものがあります。
この遺産を相続人が譲り受ける場合、相続の手続きが必要になります。
では、被相続人がSNS活動をしていた場合、そのSNSは相続として譲り受けることができるのでしょうか。
今回は、インスタグラム・ユーチューブなどSNSの相続について解説していきます。
SNSの活用
SNSには、インスタグラム、ユーチューブ、ツイッター、ティックトック、フェイスブック、ブログなど様々なものがあります。
ほとんどのSNSは、自身のメールアドレスがあれば取得することができます。
メールアドレスとパスワードでアカウントを作成し、そのアカウントで個人のページのプロフィールを作成することから始め、自身のページに写真や動画などを自由に投稿して情報を発信する、気になった投稿を閲覧する、気に入った情報をフォローするなど行いSNSを楽しむことができます。
このサービスを活用して収益を得ることも可能です。
SNSの相続
SNSの個人ページでは、写真や動画といった情報を自由に発信することができます。
その写真や動画には個人の著作権が発生します。
そのため、SNSの利用規約で相続や譲渡が可能と記載されていた場合、その著作権は相続の対象となります。
しかしSNSでは、その権利が個人しか持つことのできない性質を持っている(一身専属)ため、ほとんどのSNSは相続や譲渡を認めていないことが一般的です。
ツイッター、ティックトック、インスタグラム、フェイスブックなどのSNSアカウントは相続や譲渡ができませんので、被相続人が遺したアカウントは相続人が削除や閉鎖を申請することになります。
但し、インスタグラムやフェイスブックの場合、相続はできませんが被相続人の追悼アカウントとして遺しておくことが可能です。
ブログの場合、ブログ作成サービスを行う会社が多数ありますので、それぞれの会社の利用規約に基づくことになります。
ユーチューブの相続
SNSの中でも、ユーチューブコンテンツの相続はどうなるのでしょうか。
ユーチューブ動画の著作権と広告収入といった収益の相続についてみていきましょう。
ユーチューブの場合、アップした(公開した)動画の著作権はユーチュバーにあります。
そのユーチューバーが亡くなられた場合、著作権は相続人が相続することになります。
しかし、著作権は相続の対象となるものですが、その権利を譲渡することが可能なため、ユーチューバーが事務所に所属し、著作権を所属事務所に譲渡していた場合は相続の対象とはなりませんので注意が必要です。
広告収入に関しては相続の対象となりますので、相続手続きを行い譲り受けることが可能となります。
エピローグ
SNSは個人発信の便利なツールではありますがご自身に万が一のことがあった際、相続人がSNSの存在を知らなかった場合はアカウントを見つけられない可能性があります。
相続人がアカウントを見つけた場合でも、複雑な手続きを経て削除や閉鎖などの申請を行うことになります。
デジタル化が進む昨今、ネット銀行や、通帳が無い口座、仮想通貨などデジタル遺産が多く存在し、SNSも同様にデジタル遺産となります。
デジタル遺産は共有していなければ、遺された相続人は気がつかないままになってしまうケースもあるため、家族との共有が大切だといえます。
遺言書やエンディングノートにデジタル遺産の詳細や内訳、SNSのアカウントについてどう取り扱って欲しいか(削除・閉鎖・追悼などの希望)を記載することも良いでしょう。
また、家族がいない、疎遠になっているなどの場合は、信頼している人と死後事務委任契約を結んでおくことも有効といえます。
※死後事務委任契約とは、自身が亡くなった後で発生する相続手続き以外の事務処理(役所関係の手続き、携帯電話やクレジットカードの解約など)を、生前に信頼している人と契約を結び任せるというものです。
死後事務委任契約の詳細はコチラをご参照下さい。↓
相続関連の手続きは、書類を揃えるのも困難で時間も要します。
相続のご相談は、法の専門家である司法書士・弁護士等に任せることをお勧めします。
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