不動産の相続手続きと司法書士の役割
目次
プロローグ
ご自身にとって大切な人が亡くなられた時、ほとんどの人が財産の整理などの相続手続きどころか何も考えられないという状態になってしまうと思います。
しかし、相続手続きには期限が決まった手続き※もあるため、悲しい気持ちを抑えながら手続きを行うことになります。
この記事では、様々な相続手続きの中から「土地や建物といった不動産の相続手続き」、この手続きによる「司法書士の役割」を解説していきます。
※相続手続きの期限についての詳細はコチラをご参考ください。↓
リンク:気をつけるべき期限
不動産の相続手続き
不動産の相続手続きとは、法務局で登記されている不動産所有者の名義を変更することで、「相続登記」といいます。
現在の相続登記の手続きに決まった期限や義務はありませんが、2024年から相続登記の義務化が施行されます。
そのため、財産に不動産がある相続手続きを行う際は、相続登記の手続きも一緒に行う方が良いでしょう。
不動産の名義変更(相続登記)手続きの流れ
相続の手続きは大きく分けると、遺産分割協議による相続・遺言による相続・法定通りの相続という方法に分けられます。
・遺産分割協議による相続の場合で「遺言書がない場合」は、相続人全員で誰がどの財産を相続するのかを話し合い遺産分割協議書を作成します。
・遺言による相続の場合、基本的には遺言書に従って財産の相続手続きを行います。
・法定通りの相続の場合、財産の相続は法律上定められた割合を各相続人が受け取ることになります。
いずれの相続手続きの場合も、相続登記の手続きを行うには不動産評価証明書・固定資産税通知書・登記済権利証などから相続財産である不動産の地番や家屋番号などの情報を集め、財産目録などを作成し不動産の相続対象になる相続人を確定します。
次に、被相続人・不動産を相続する相続人の戸籍謄本など、名義変更の申請に必要な書類を揃え、管轄の法務局で登記申請し不動産の名義変更(相続登記)が完了するという流れになります。
登記手続きに必要な書類についての説明はこちらをご参考下さい。↓
リンク:相続登記とは
相談窓口
実際に相続登記の手続きを行う場合、ほとんどの人は何をどう始めたら良いか迷ってしまうのではないでしょうか。
まずは、相談窓口になり得る機関を知ることが大切だと思いますので、相談窓口をいくつかご紹介します。
・公的機関(役所など)の無料相談
公的機関が月に1回程度発行している市報などの情報紙には、弁護士の法律相談が無料で行える案内が掲載してありますので、その無料相談を利用しても良いでしょう。
但し、相談する時間が限られていますし、具体的な答えはもらえない可能性があります。
・弁護士(法テラス)の無料相談
法テラスは国が設立した法律に関する無料の相談所です。
相続のトラブルで調停や裁判の可能性が高い方は弁護士に相談された方が良いでしょう。
しかし、法テラスは一定の条件を満たしていないと利用ができませんので注意が必要です。
・司法書士
司法書士にも無料相談ができる事務所がありますので、相続手続きの問題は相続登記の手続きができる司法書士に相談するのはお勧めです。
しかし、相続登記の手続きを専門としない司法書士もいますので、相続登記の手続きに詳しい司法書士に相談しましょう。
・行政書士
相続財産に不動産があった場合、行政書士では相続登記の手続きを行うことができませんので注意が必要です。
行政書士は行政機関に提出する書類を作成する専門家ですので、遺言書の作成や遺産分割協議書の作成などは行政書士に相談するのも良いでしょう。
司法書士の役割
上記でいくつかご紹介しましたが、どの相談窓口もメリットと注意点があります。
相続登記の手続きに関しては司法書士のみが行える手続きです。
ですので、司法書士が行う相続登記の手続きは、一度依頼すると手続き完了まで任せることができます。
また、遺言書の作成から、遺言の検認、相続人や相続財産の調査、相続の放棄や承認の申述、遺言執行者、遺産分割協議書の作成、不動産や金融機関の名義変更など相続に関する手続きが幅広く対応できます。
但し、司法書士も得意分野がありますで、相続手続きを得意とする司法書士もいれば、法人を得意とする司法書士、その他の分野を得意とする司法書士もいます。
司法書士に相談される場合は、事前に相続登記に詳しい司法書士を調べてから相談すると良いでしょう。
※相続問題でトラブル(調停や裁判)の可能性がある場合には、弁護士が対応することになります。
また、相続税の申告がある場合は、税理士が対応することになります。
エピローグ
今回は、様々な相続の中でも不動産の相続について、その中での司法書士の役割についてお話しました。
相続手続きを行う場合、実際には何から始めたら良いか分からないという人も少なくないでしょう。
相続人が複数人になる場合はさらに時間と手間がかかってしまい、申請に必要な書類を揃えるのも一苦労ですし、揉め事が起こる可能性もあります。
さらには、期限が決まっている手続きもあるため、目まぐるしく時間だけが過ぎ何も手続きができていないといったこともあるでしょう。
まずは、ご自身に合った相談窓口を見つけ、専門家に依頼した方が良いと思われた場合は法の専門家に任せることをもひとつだと思います。


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